MT4のEAで使われるMACDとは?

FXにおけるMACD(マックディ)とは、「Moving Average Convergence Divergence」の略で移動平均線を利用したテクニカル指標です。短期の移動平均線と中長期の移動平均線の動きから、売買のタイミングとトレンドの方向性を判断していきます。テクニカル指標の中でも比較的精度が高いとされているため、1980年頃に発明されて以来多くの投資家から愛用されています。MT4のEAにおいても頻繁に利用されています。

MACDは、MACD線とシグナルと呼ばれる2本の線で描かれており、「ヒストグラム」という棒グラフとともに構成されています。シグナルは、MACDの値を一定期間(基本的には9日間)平均化したもので、MACDの単純移動平均線を意味します。ヒストグラムは、MACD線とシグナルの値の差を棒グラフで表したものです。MACDで使用される移動平均線は、直近の値動きに重点を置くEMA(指数平滑移動平均線)です。MACDは、「短期指数平滑移動平均」と「長期指数平滑移動平均」の差から計算され、以下の計算式で算出できます。

MACD = 短期指数平滑移動平均 - 長期指数平滑移動平均

指数平滑移動平均線は、まずは求めたい日数(n日)の「平滑指数」を求めます。

平滑指数 = 2 ÷ ( n + 1 )

5日指数平滑移動平均線の場合は、平滑指数 = 2 ÷ ( 5 + 1 ) = 0.33…となります。その後、下記の計算式に必要な日数の終値を代入し、導き出された値を線で結んだのが指数平滑移動平均線となります。

前日の指数平滑移動平均の値 + 平滑指数 × ( 当日終値 - 前日の指数平滑移動平均 )

一般的にMACDの短期指数平滑移動平均線は12日、長期指数平滑移動平均線は26日を使用します。12日指数平滑移動平均線が26日指数平滑移動平均線より上にあれば、ヒストグラムの値が0ラインよりも上になり、相場の上昇傾向を示します。逆に12日指数平滑移動平均線が26日指数平滑移動平均線を下回るときは、ヒストグラムは0ラインよりも下になり、相場が下降傾向にあることを示します。

ヒストグラムの値 トレンド
0より上 上昇トレンド
0より下 下方トレンド

MACD線は、短期指数平滑移動平均と長期指数平滑移動平均の2本の平均線の間隔を見ており、短期指数平滑移動平均が長期指数平滑移動平均を下から上にクロスすれば、ゴールデンクロス、逆に上から下にクロスすればデッドクロスとなります。ゴールデンクロス・デッドクロスが生じる前には、2本の平均線はどんどん接近していきます。そのためMACD線によりゴールデンクロス・デッドクロスが先読みできるのです。MACDを使った売買のタイミングの判断は以下のとおりです。

チャート シグナル
シグナルがMACDを上抜く 買いシグナル
シグナルがMACDを下抜く 売りシグナル

MACDを使ってトレードを行う際に注意して欲しいのは、「持ち合い相場」のときです。持ち合い相場とは、相場が大きく動かずに狭い範囲で値動きが上下する相場のことです。このような相場ではMACDはうまく機能しません。MACDで判断するトレードの条件は以下を参考にしてみてください。

チャート サイン トレード
日足チャート MACDがシグナルを上抜く 買い
週足チャート MACDが上昇 買い
MACDが0ラインよりも上 買い
シグナルが上昇 買い
チャート サイン トレード
日足チャート MACDがシグナルを下抜く 売り
週足チャート MACDが下降 売り
MACDが0ラインよりも下 売り
シグナルが下降 売り

MCDAはMT4のEAでもよく使われており、MCDAが得意な状況においてはしっかりと利益を出してくれます。ただし持ち合い相場やだましの発生しやすい状況で使用すると、損失につながることもあります。MT4のEAだけでなく裁量トレードにおいても、MACDはトレード判断や方向性を確認するのに非常に有効なテクニカル指標ですので、うまく活用して利益を出していってください。

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